かさやぬすの日記

後で思い出したいことを書く

『岩田聡はこんなことを話していた。』読み終わったので。

先月7月に発売された『岩田聡はこんなことを話していた。』を読み終わったので感想を簡単にまとめる。そんなにたくさん感想を書くわけではないけど、この感想をツイッターで投稿するには長くなるので、ブログを使うか、くらいの感じである。まず、この本は岩田さんが生前にインタビューやNintendo Directなどで話していたことを纏めた本である。

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  岩田聡さん

この本を買うきっかけは、ツイッターのフォロワーさんの「こんな本が出るよ」という情報を見たことである。岩田さんは尊敬する人であり、任天堂は自分が最も尊敬する会社であり、もうすぐゲーム開発者の端くれとなる自分としてはこんな偉大な先人の言葉を読まない理由はないというわけで、すぐに通販で注文した。

岩田さんはどういう人かというと、2002年から2015年まで任天堂元代表取締役社長として任天堂の4代目社長として会社をひっぱてきた人物であり、任期中には任天堂の歴史で最も普及したハードであるWiiとDSの産みの親として有名。しかし2015年7月11日胆管がんのため57歳でなくなった。

岩田さんが社長に就くまでの任天堂は山内家の一族経営であり、岩田さんの一つ前の社長である山内溥(←この人もめちゃくちゃ有名な人でこの人の時代から任天堂ファミコンスーパーファミコンなどの家庭用ゲーム機の大ヒットで世界に名を馳せる一流企業になった)は、あえてそれまで続いてきた山内家の一族経営の伝統を破って岩田さんを次期社長に任命したのである。これは例外中の例外であり、当時、山内元社長が岩田さんへ尋常じゃない信頼と期待をおいていたことが分かる。

  山内溥さん

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岩田さんは人を楽しませることが大好きだった。

これは昔ゲームセンターCX有野課長との対談で話していたことなので知っていたが、岩田さんは高校時代、当時パソコンも普及していなかった時代、電卓の中にゲームを作って友達に遊ばせていた。この本の中でも何度か書かれていたが、結局岩田さんは自分が楽しことよりも、自分以外の誰かが自分の作ったもので遊んで楽しんでる姿に最も幸せを感じるという。これこそが結局ゲーム開発者にとって一番大切なことなんじゃないかと思う。自分が遊んでいて楽しいと思えるゲームを追求することもあるけど、それが他人にとっておもしろいとも限らない。ゲーム開発者は、自分が楽しいゲームが作れて満足してエゴで終わるんじゃなくて、それで遊んでくれる人が楽しんでいる姿を見るのが一番の幸せであり、それを一番大事にするべきことだと思う。自分を比較するのはおこがましい感じもするけど、自分は小学生時代、プログラミングなんて言葉すら知らなかったけど、ゲームがその頃から大好きだったから、無地の自由帳にゲームを作って昼休みに友達に遊んでもらってもらうのがすごく楽しかった記憶がある。その後はyoutubeなどでゲーム実況を見ることが趣味になって、自分が一度やったゲームをゲーム実況者が楽しそうにやってる姿を見るのが今でも大好きである。人が楽しんでる姿に幸せを感じる心はこれから仕事に携わっても忘れないようにしたいと思った。

 

岩田さんは名前をつけるのが得意だった.

本の中で、岩田さんは人に何かを的確に伝えたり、物事をうまく表現するのに最適な名前をつけるのが上手だった、と宮本茂さん(←任天堂の取締役、マリオやゼルダの産みの親)が語っている部分がある。例えば、Wiiのコントローラーをあえて"リモコン"と呼ぶようにしたのは岩田さんの指示だったという。これは、今までゲームを操作する機械といえば"コントローラー"だという常識をやぶったということである。なぜそれが凄いのかというと、岩田さんが任天堂の社長として目指したことの一つに「ゲーム人口の拡大」があった。wiiやDSが世の中に出る前のゲームは一部のマニアや子供にとっての"おもちゃ"にすぎず、それに興味のない人たちは、聞けばすぐそれに関する情報を遮断してしまうような商品だった。例えになってるがわからないけど、例えば、自分は女装の趣味はない。だから当然、デパートや百貨店に行って、化粧品売り場の前を通っても、自分には全く関係ないものだと本能で察して、目にも映らない。昔のゲーム機もこんな扱いだったのだと思う。だからこそ岩田さんはもっとたくさんの人にゲームを遊んでほしいと考えたのである。そう考えたときに、wiiに従来のゲーム機のようなイメージをもたせてはいけない。リビングのテレビのリモコンが誰の手にも取れるように、wiiのコントローラーも誰もが簡単に手にとって遊んでもらえるようにしなくてはならない、だからこそコントローラーではなく”リモコン”と名付けた。ここではこれ以上は語らないけど、岩田さんはそれ以外にも社内の制度などにも的確にそのイメージを反映させた名前をつけたという。これは物事の本質を理解する能力がとても高いのだと思う。たとえばプログラミングをしていて変数や関数の名前を的確につけるためには、その変数や関数の本質を理解する力が必要だと思う。岩田さんは社長になる前は天才プログラマーとして活躍していたが、本質を見抜く能力にも秀でていたんだと思った。

 

  宮本茂さん

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まとめ

任天堂の会社としての歴史や生き様は調べれば調べるほどかっこいいと思う。

そして任天堂ってやっぱ偉人ばっかりだなと思った。